2014年02月04日
たまには、曲げネタを書いてみます。
先日、50.8mmのステンレスパイプを曲げていたら、急に曲げ内側に凹み発生 σ(^_^;)
これが酷くなると、芯金のジョイント(パイプ潰れ防止の金型ジョイント)が、ボギッ!!!
って大音量で工場に響きながらちぎれて、心臓がバクバクします。
身も心にも財布にもダメージありです・・・。
今回は、その手前の段階で幸いでした。
原因が解らないとベンダー(パイプ曲げの機械)のボタンを押すのが嫌になるので
といゆうか、仕事にならないのですぐに原因を探ります。
パイプが曲がらなくなる時の原因は色々な事が絡み合っている事があります。
金型のセッテイング不良、油圧温度、気温、材料・・・その他色々。
今までの経験と勘 (⇐勘に頼るのかよ。。。) で一番考えられる原因から試していって
消去法で解決していきます。
今回は、今まで問題なく曲がっていたのが急におかしくなったので、
まず材料を疑い外径を測ってみたら、凹んだパイプは、外径平均50.65mm
凹んでいないパイプは外径平均50.75mm。 (本当の真円のパイプって無いと思う)
外径が若干小さめ。
材料メーカーの外径規格では、
30未満 ±0.3 30以上 ±(外径×1%) (単位:mm)
* モリ工業株式会社HPより抜粋
とある、材料的に外径は問題ないレベル。 曲げ屋にはこの規格は大問題レベル
だけど、10年以上曲げをやっていて思うのは、このメーカー規格は大体で、
もっと、シビアな寸法の材料を常に提供してくれています。
お陰様で何とか曲げが出来るってもんです。
その他、材料には伸び率やらヤング率とか元素記号が出てくる成分表とかありますが
全く意味が解らないので気にしません。
脱線しましたが、とりあえず、大き目の外径のパイプを選んで曲げて様子を見てみたら、
若干パイプが滑り気味。
パイプが滑るって表現は、意味が解らないと思いますので、ちょっと解説。
私が親会社よりお借りしているベンダーは、パイプを金型で掴んで、
引っ張りながら丸い金型に沿わせて曲げる方式に、パイプ後端を、
油圧で押してアシストするベンダーなのですが、パイプの挟み込み圧力や、
押すスピードが遅く圧力が足りないと、パイプを掴んでいる金型からパイプが滑ってしまい
パイプに傷がつき、シワや凹みが出て寸法も狂います。
この滑る症状が原因で、凹みが発生していると推測。
パイプを掴む圧力を上げ過ぎると、パイプを掴み過ぎによる段差ができるので、
まずは、アシストのスピードと圧力を上げて滑り防止をしてみました。
すると、外径が若干小さめのパイプも凹む事なく曲げる事が出来ました。
経験ではなく 勘 で!
外径誤差にも対応できるように、セッティングするのが難しいです。
逆に、押し過ぎで凹んだり、シワが出たりすることがあるので、良い所のセッテイング
加減と金型の調整が曲げの仕上がりに差が出ます。
他にも色々とありますが、どーでも良い事なので書くの止めときます。
ただの曲げパイプにも色々な 勘? が詰まっております・・・。
物、情報が溢れかえっている時代ですが、その影には沢山の人が関わりを持ってます。
この日記を見て下さっているマニアックなキチガイ???m(_ _ )m な方々の仕事も、
形や表現はどうであれ誰かが見ているし、知らない所で誰かが評価している。
自分の仕事は誰かの役に立っていると信じて仕事したいな~
凹んだ時はなおさらそう思いたい。